JGAP家畜・畜産物 現時点の課題

おはよりいでございます。

採卵養鶏として国内初のJGAP家畜・畜産物認証を昨年取得してから、同業種の方よりも多方面から関心を持っていただくことが多く、たいへんありがたいことです。

今後の展開としては、JGAPマークを鶏卵製品につけようと準備をしていますが、そもそも、JGAPは『畜産物の出荷』までが対象であり、肉牛や養豚は屠畜場への出荷まで、原料卵出荷のみの農場であれば原料卵出荷までが対象となります。

当農場は農場敷地内にあるインライン(鶏舎直結型)GPセンターにて鶏卵パック詰めを行っていますが、GPセンターはJGAPの『認証範囲対象外』です。

これは、農場HACCPも同様の考えです。

今回の申請の段階でも、よく把握しておらずGPセンターを含めて申請書を提出しましたが、対象外なので申請内容から外すよう指導を受けています。

『JGAP総合規則【家畜・畜産物2017】』の用語にも、【畜産物取扱い工程】=『集卵・保管及び選別包装者への出荷までの工程』と定義され、【畜産物取扱い施設】=『集卵所等の畜産物取扱い工程を実施する施設』となっているので、GPセンターは【畜産物取扱い施設】ではないことになります。

次に、JGAPマークのひとつ、【JGAP認証農場マーク】の使用許諾範囲をみると、『認証畜産物及びその包装資材・梱包資材だけ表示することができる』と書かれています。

この文言であれば、自社農場で全て完結して商品化になれば、包装資材となる鶏卵パック、贈答化粧箱、業務用10㎏箱にも【JGAP認証マーク】はつけられそうですが、日本GAP協会の見解としては、「選別包装者へ出荷済」、「GPセンターは認証対象外」、「GPセンターは厚生労働省の管轄」でNGだそうです。

「へ」理屈を言えば、野菜を集荷して袋詰めするようなイメージで集卵所を作り、洗わずに手詰めしたものであれば【JGAP認証マーク】付きの商品が完成します。

ばかばかしくて、そんなことするつもりありませんが。

もし要望できるとすれば、厚生労働省管轄のGPセンターであっても、経営体が同一で、同敷地内であれば【畜産物取扱い施設】であってほしいです。「畜産物を取り扱ってる建物」だし。

但し、解決方法もあって、【JGAP農産物使用マーク】ならば製品に取り付け可能です。

『JGAP認証を取得した農場の認証農畜産物を原料として使用し小分け・加工・製造した商品であることを表すマークで、その小分け・加工・製造業者(これをJGAP農畜産物使用マーク使用者という)が協会から許諾を受けて表示することができる。』となります。

これでいいじゃん!と思いますが、毎年結構なお金を払います。

「今後、JGAP取得した農産物を積極的に取り扱います。」と宣言している流通業者もありますが、トレースしやすい鶏卵と違って、他畜種では屠畜場、加工場が関連するのでたやすい状況ではなく、鶏卵だけ先走りすぎて「まぁ、畜産物はあと回しだな。」と解釈される可能性大であり、認証マークに多額投資して印字しても見向きもされません。

先日も、誰もが知っている大手外食チェーンの品質管理担当者にJGAPと言っても???だったしなぁ…

さてさて、どうしたものか。

 

 

画像は、過日ドイツ視察時に撮影したニュルンベルク城近くの街の風景です。

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